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スカートをはく

  • 小林孝男
  • 2016年12月8日
  • 読了時間: 2分

 以前「独歩」で訪れた通町の全玖院前を、今日通りかかった際に、門前の松の木がスカートをはいているのを見かけました。とても寒い日でしたので、「松も防寒対策をしてもらって、暖かいだろうなあ」と、ついつい感情移入をしてしまいました。もちろんこれは防虫対策であり、寒さを防いでいるわけではないことを、知りつつです。

 この囲いは「こも巻き」とよばれ、江戸時代から行われています。11月頃、松や杉の幹の地上2mほどの高さに、藁でできた「こも(菰)」を巻きつけます。春先に、この「こも」の中で越冬した害虫マツカレハの幼虫を「こも」ともども焼却し、マツカレハを駆除するのです。しかし、近年の研究によれば、マツカレハの天敵となる昆虫の幼虫の方が、「こも」で越冬する率が断然高く、それを焼却するのですから、害虫対策としてはむしろ逆効果だ、と言われています。

 最近、この種のことが多くなったように感じます。これまで正しいと思ってやってきたことが、実は間違いだったとか、長年効果があると言われてきたことが、効き目がないどころか、実は事態をより悪化させているとか。一体何が真実なのしょう。どう見極めをつければいいのでしょう。何を信じればいいのでしょうか。随分と厄介な時代になったものです。

 効果があるのか逆効果なのかは分かりませんが、「こも巻き」をした松の木の姿には季節感があり、何とも情緒深く、私はとても好きです。これだけは確かなことです。


 
 
 

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