マガイモノ? マガイブツ?
- 小林孝男
- 2016年12月14日
- 読了時間: 2分

マガイモノ(擬い物)という言葉があります。似せて作った物、偽物という意味です。この年になって恥ずかしながら、私は今日まで「マガイブツ」を、マガイモノの範疇に含まれる言葉であると、ずっと思い込んでいました。広辞苑を引いて確認しましたが、マガイブツとは「磨崖仏」と書き、その意味は「自然の崖面や巨石に彫刻した仏像」とありました。ああ、まったく赤面の至りです。
さて、今日は大変寒い一日でしたが、NHKカルチャーの町歩き講座で、岩切の東光寺を訪れました。案内は岩切歴史探訪の会の4名の皆様。境内西側の崖面の「磨崖仏」(正面左は阿弥陀如来、右は薬師如来)は、素人目にも歴史遺産としての価値が高いものであることが分かります。会の方々の案内とあって、磨崖仏を大変間近に拝見することができ、とても貴重な体験でした。磨崖仏が造られた正確な時代の特定は難しいようですが、鎌倉時代~室町時代ごろのもののようです。風化に必死に耐えながら、美しい姿を保ち続けている様は、凛々しくさえあります。
この磨崖仏が造られてから今日に至るまで、数えきれない人々が、その前に跪き、手を合わせ、切なる思いを訴えてきたことでしょう。阿弥陀如来も薬師如来も、その人々の声を全てお聞きになっておられるはずです。長い時の隔たりはありますが、鎌倉から平成の世まで、神仏に訴えようとする人々の思いの中味には、さほどの違いは案外ないのかもしれません。



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