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地下鉄駅構内での出来事

  • 小林孝男
  • 2019年8月11日
  • 読了時間: 2分

 その日は地下鉄台原駅の構内、改札口付近集合の町歩き講座の日でした。全員がそろいその日の行程のガイダンスが、構内で開始されました。私も講師の話に耳を傾けていたのですが、突然どなたかが後ろからぶつかってきました。振り返って白杖が目に入った瞬間、ハッとして色々なことが瞬間的に脳裏をよぎりました。「駅構内の点字ブロックを塞ぐ位置に私たちが集まっていたこと」、「全くそのことを私たちは意識していなかったこと」、つまり「点字ブロックを必要としている方の存在など眼中になかったこと」等々。このことは私にとってかなりショックな出来事でした。

 私が毎日ウォーキングしている決まったコースには、点字ブロックのある歩道区間が含まれています。そこでいつも気になっていることがありました。点字ブロックとバス停の直方体の時刻表示板との距離が、ほぼゼロに近い個所が一カ所あるのです。これでは点字ブロックを頼りに歩いてくる方は、その時刻表示板にぶつかってしまうのではと、通るたびに心配していました。そんな私ですが場所が変われば、点字ブロックやそれを必要としている方に対しての意識が全くゼロの状態で、実際に白杖を持った方が私にぶつかってしまったのです。浅薄な自分の現実を、強烈に自覚させられる出来事でした。「お前は障がい者のことなど、本当は真剣に考えてはいないではないか」と告発された思いです。

 そんな中、白杖を頭上50㎝ほどに掲げているのは、その方が助けを必要としているサインであることを、最近テレビで知りました。そして「これはどうしても忘れるわけにはいかない。しっかりと覚えておこう。」と、反省と自戒を込めて決意しました。言葉や思いは、行動が伴って初めて生きてくるものです。地下鉄駅構内での出来事は、私にそのことを思い起こさせるものでした。あの時ぶつかってしまった方、本当にごめんなさい。


 
 
 

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