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ああ、生々流転

  • 小林孝男
  • 2020年5月31日
  • 読了時間: 1分

 11世紀ペルシャの数学者で哲学者でもあるオマール・ハイヤムは、「ルバイヤート」という四行詩を残しています。その一節を、仙台弁で訳した方がいました。天江富弥さんです。八幡町に「天賞」という古くからの造り酒屋がありましたが、そこの一族の方で「炉ばた」という飲み屋を営む一方、文化活動にも熱心で、大正10年(1921)、日本最初の童謡専門誌「おてんとさん」を、童話作家スズキヘキと共に仙台で創刊した人物です。

 天江富弥さんが仙台弁で訳した「ルバイヤート」の一節が、炉ばたの店内に飾ってありました。大学生のころ、それを見ていたく感激し写し取りました。こんな具合です。



 どっから来たがも

 なんさ来たがもわがんねで

 この世の中さ水みでに

 たんだ流れて来て

 原っぱふいでる風みでに

 どごさ行っかもわがんねで

 ほでなしにしゃってぐおれなのがや

 どこから来たかも、何のために来たかも分からないで、この世の中に水のように、ただ流れのままに生まれてきて、野原を吹く風のように、どこへ向かっていくのかも分からないで、何もかも分からないづくしの愚か者のように、いずれ死んでいく私なのかなあ、といった感じの詩なのでしょう・・・


 二十歳前から半世紀お世話になってきた我が「炉ばた」が、コロナの影響もあり6月で閉店します。ああ、生々流転。

 
 
 

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